相続人が海外に住んでいる場合の遺産分割協議書

23 12月

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こんにちは。今回は、相続人のひとりが海外に住んでいる場合の相続(遺産分割)手続きの仕方をお伝えしようと思います。

そもそも遺産分割とは?

相続人が複数いる場合に、だれがどれだけの割合で遺産を受け取るかを決めることです。

遺産分割は亡くなった人が遺言書などで分割方法を指定している場合にはその内容に従いますが、遺言書がない場合には、相続人となる人たちが集まって話し合いで決めることとなります。

その後話し合いで決めた内容は最終的に「遺産分割協議書」という書類にまとめます。

この「遺産分割協議書」は不動産や預貯金の名義変更の際に必要となります。最終的には、相続人全員が遺産分割協議書に実印で押印して印鑑登録証明書も添付します。

実印を押して印鑑証明書もつけることで、「遺産分割協議書に押印したのは本人に間違いありません。」ということを証明になります。

相続人のひとりが日本にいない場合、分割協議書の作成はどうする?!

最近は国際化が進み相続人のひとりが海外在住なんてことも、珍しくないですね。しかし被相続人(亡くなられた方)が日本に居住していた場合は日本法(民法)が適用されるため、相続人のひとりが海外に在住していても分割協議書に参加しなければなりません。

相続人のひとりが日本に住んでいないため、日本に住所がない!?

海外出張などで、しばらく日本に戻らない場合など日本の住民票を転出して住民票がなくなります。そうすると、印鑑登録証明書も抹消されます。

その際実印・印鑑登録証明書に代わるものが「サイン証明書」です

サイン証明書って?!

サイン証明書とは、「このサインはこの人がしたものに間違いありません」ということを公的に証明する書類をいい、正式には「署名(及び拇印)証明書」と呼ばれています。

発行してくれるのは、居住している国の日本大使館や日本領事館 です。

形式が2つある

★形式1

署名する書類(遺産分割協議書など)を持参して、サイン証明書を貼り付ける形式です。

大使館職員の方の面前で持参した書類に署名・拇印して、その書類に「署名・拇印したのは○○さん自身です。職員が立ち会いました。」というサイン証明書が貼り付けられます。

※しかも作成する遺産分割協議書は、サイン証明書と貼り付けて合体されるものです。記載ミスは原則許されません。

★形式2

こちらは印鑑登録証明書と同じように、用紙1枚が単独で発行される形式になります。 ※特に不動産の相続手続き(相続登記)では、「形式1」の遺産分割協議書を要求されます。(法務局にもよるようですが・・)

申請書以外に必要な書類は??

(1)パスポート

(2)住所が確認できる書類(海外の運転免許証・家屋の賃貸契約書など)

日本でいうところの住民票に代わる書類が「在留証明書」というものになります。在留証明書もサイン証明書と同じように居住地の大使館・領事館で発行してもらえます。

現地にすでに3ヶ月以上滞在し、現在居住していること。

または滞在期間が3ヶ月未満であっても,今後3ヶ月以上の滞在が見込まれることが在留証明書の発行条件となっている国が多いです。

(3)形式1(貼付型)のサイン証明書を取得する場合は、署名する書類(分割協議書など) (大使館で署名するので、署名部分は空欄のまま持参)

費用は?

1通あたり日本円に換算して1,700円程度になります(現地通貨で支払います)

注意点

サイン証明書は、必ず「本籍」の記載がされものが必要です。

様式等への記載が求められます。

海外では本籍地記載の戸籍謄本を取得することができないため、日本にいる家族等に戸籍謄本を取得してもらい送ってもらうなどして、大使館・領事館に行く前に、ご自身の戸籍謄本も用意しておく必要があります。

以上より、当事務所では外国人のビザ申請以外にもその他法律相談も行っております。 些細な事でもお気軽にご相談してください!

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